秋田と岩手にまたがる秋田駒ヶ岳で火山性地震が増えています。秋田県内の対応は。そして万一の事態に備え私たちはどうしたらよいのでしょうか。
この時期紅葉も楽しめる田沢湖高原の観光施設アルパこまくさ。秋田・岩手にまたがる秋田駒ヶ岳のふもとにあります。仙台管区気象台は10日、秋田駒ケ岳で火山性地震が増えたと発表しました。10日は午前7時からの2時間で129回の火山性地震を観測。一方、低周波地震や火山性微動は観測されず、5段階で示す噴火警戒レベルはこれまで通り最も低い「1」の「活火山であることで留意」としています。
秋田大学大学院の大場司教授は地震の回数が多いのは一日に227回の地震を記録した2017年以来だと話します。
秋田大学大学院 大場司教授:「おとなしい時間の方が長いのでやはり気を付けなければならないというのは事実」
火山性地震とは火山に特有の地震のことで火山活動が活発になると多く発生する傾向があるとされています。駒ヶ岳周辺の火山防災用ヘルメットはアルパこまくさのほかに8合目避難小屋に30個と阿弥陀池(あみだいけ)避難小屋に74個備え付けられています。アルパこまくさの火山防災ステーションは普段は火山の情報などを発信する場として使われていますが、噴火などの災害が起きた場合は緊急時の対策本部としても使うことができます。
世界有数の火山大国、日本。ちょうど10年前の2014年には紅葉シーズンだった長野・岐阜にまたがる御嶽山で「水蒸気噴火」が発生。死者・行方不明者あわせて63人の大惨事となりました。噴火にはマグマそのものが火口から激しく噴き出す「マグマ噴火」のほか高温のマグマの熱で地下水が熱せられて起きる「水蒸気噴火」があります。
秋田大学大学院 大場司教授:「水蒸気噴火は非常に前兆現象がわかりにくい。マグマが出てこないということもありマグマの動きを捉えられないままに噴火することが多々ある」
駒ヶ岳登山口から8合目に向かう県道駒ヶ岳線は11月から2025年5月末(まつ)まで冬季の通行止めになっていて本格的な登山シーズンは終わっています。秋田駒ヶ岳は1970年を最後に噴火していませんが大場教授は活火山への注意は常に払う必要があると指摘します。
秋田大学大学院 大場司教授:「地震が起きていないときも活火山の活動レベルというのが0というのはなくて1ということで『活火山であることに留意しなさい』ということで気象庁から指定されている。活火山であるからには何の前兆がなくても御嶽山のような噴火災害が起きることがあるので秋田駒ヶ岳も地震が起きたから危ないということではなくて常に噴火するリスクというのは考えておかなければならない」